第25回大藪春彦賞を受賞したこの作品が、本屋大賞の候補にも選ばれました!
- スパイものが好きな方
- 音楽が好きな方
- 人間の絆を描いた作品が好きな方
におすすめです^_^
Contents
『ラブカは静かに弓を持つ』の概要
作品名 | ラブカは静かに弓を持つ |
作者名 | 安壇美緒 |
出版社 | 集英社 |
発売日 | 2022年5月2日 |
初出 | |
文学賞など (受賞&ノミネート) | 第25回大藪春彦賞 2023年本屋大賞ノミネート |
『ラブカは静かに弓を持つ』のあらすじ
人間関係を構築するのが苦手な橘樹は、全日本音楽著作権連盟に勤めている。
橘にチェロが弾けると知った上司から、ミカサ音楽教室に生徒として潜入して著作権違反の証拠を取ってこいと命じられる。
想定の潜入期間は2年。
始めはチェロを弾くのに乗り気ではない橘だが、講師の浅葉や彼の生徒達と関わる内にチェロに惹かれていく。
橘は正体がバレずに作戦を終えられるのか?
著作権違反の行方は?
浅葉や他の生徒との関係はどうなるのか?
『ラブカは静かに弓を持つ』の読みどころ!※ネタバレあり
『ラブカは静かに弓を持つ』の読みどころを3つ紹介します!
ネタバレが含まれる可能性があるので、伏線やネタバレを知りたくない方はご遠慮くださいませm(_ _)m
1、文字でもわかるチェロの旋律の美しさ
楽器やクラシック音楽には明るくない私でも、浅葉や橘が奏でる音楽が聴こえてくるような描写が素敵です!
楽器を奏でる奏者の姿も想像できるような描写があり、チェロを聞いてみたくなる程です^_^
2、橘はなぜチェロを弾きたくないのか
5歳から13歳までチェロを弾いていた橘は、ある事がきっかけでチェロが弾けなくなります。
その出来事を社会人になっても引きずっていて、悪夢を見る程のトラウマを抱え、精神科に通いながら生活している、というところから物語は始まります。
それだけ橘を追い込んだ出来事とは何なのか。
再びチェロを奏でることはできるのか。
橘が自分を向き合っていく姿が見ものです。
3、音楽教室と著作権協会による著作権の争い
著作権とは、どこまでの範囲をいうものなのか。
物語の主題ではありませんが、考えさせられる描写がたくさんあります。
著作権が及ぶかどうかは技術の程度なのか、聞く人がいるかどうかなのか、代金をいただくからなのか。
普段は気にも留めない著作権違反という問題に着目して読むのも面白いです。
感想※ネタバレあり
読んだ後、素敵な気持ちになりました^_^
橘は面倒なことがあると、すぐに人間との関わりを断ち切ってしまう人なのですが、それでも断つことの出来ない関係があるというのが嬉しく思いました。
師匠と生徒というのはそれだけお互いの絆を繋いでいる、ということなんですね。
自分自身のことと照らし合わせても、師匠はコロコロ変えられるものじゃないと再確認しました。
橘をラブカという醜い深海魚に例えてお話が進んでいくのも面白かったです!
殻を破るかのように、最後には深海魚ではなくなりましたね。
深海に迷い込んだ浅瀬のお魚だったのかなーとか想像しちゃいます(*^^*)
個人的には、もう一人のスパイの生き方もアリなんだろうと想像をめぐらせてました。
自分にはできない生き方ですが(^_^;)
チェロを奏でる浅葉さんの描写が素敵過ぎて、何度も読みたくなります♪
まとめ
いかがでしたでしょうか?
『ラブカは静かに弓を持つ』の魅力が伝わっていたら嬉しいです!
本当に音楽描写が素敵なので、ぜひ手に取って読んでみてくださいね^_^
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