芦沢央さん『罪の余白』【感想】

第3回フロンティア文学賞を受賞した芦沢央さんのデビュー作!

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『罪の余白』の概要

作品名罪の余白つみのよはく
作者名芦沢央あしざわ ゆう
出版社角川書店
ページ数255ページ
発売日2012年8月31日
初出典第三回野生時代フロンティア文学賞作を加筆修正
文学賞など第三回野生時代フロンティア文学賞受賞
『罪の余白』、版権ドットコムより引用

『罪の余白』のあらすじ

安藤聡の娘である加奈は、学校のベランダから落ちて亡くなってしまう。
現場の状況から警察は自殺と判断して捜査を終了した。

妻を病気で亡くし、娘も亡くした安藤は食べることもできないほど憔悴する
そんな安藤の世話をしていた同僚の小沢早苗が、安藤の母親から「いじめだったんじゃないかしら?」と言われ、早苗は学校へ電話をする。

電話を受けた担任教師は、加奈と仲の良かった木場咲にいじめがなかったかを確認する。
いじめについての電話があったことと加奈の父親が咲に会いたがっていると知った咲は、いじめの事実が発覚しないようにある行動にでる。

『罪の余白』の読みどころ

『罪の余白』の読みどころを紹介します!
ネタバレを含む可能性がありますので、ネタバレや伏線を知りたくない方はご遠慮くださいませm(__)m

1.咲VS安藤の心理戦

美人でクラスの人気者である咲は加奈を見下していました
それがいつしかいじめになり、加奈は誤ってベランダから落ちて亡くなってしまいます。

実際は自分たちが仕向けたことで亡くなっているという事実を何としても隠したい咲。
自分が加奈の友人であったとバレないように、安藤に近づいていきます。

加奈の日記からいじめられていた事実を知った安藤も、その犯人を見つけて懲らしめようとします。

安藤は咲に辿り着けるのか。
それとも、咲が自分を隠し通せるのか。

犯人と家族が直接対峙する展開にドキドキします♪

2.咲や真帆の心情描写がリアル

加奈をいじめていた咲や同じグループの新海真帆もそれぞれの悩みを抱えています。

学校という閉ざされた世界しか知らない高校生らしい悩み。
自分の希望を否定する親に対する怒り。


そんなものが折り重なって、加奈をいじめるという行為に至ってしまった経緯。
自分の感情のやり場がない思いが、弱い者に向かっていく心理が細かく描写されています。

感想

そんな結末で終わると思わなかった!

というのが一番の感想です。
読んでる間も終わりがどんな感じに着地するのかが判らなかったんです。

安藤が犯人に対して何を要求しようとしているのかもはっきりしていなくて。

ただ、読み終わった後はめちゃすっきりします。
そんな罰の与え方が合っているのかはわからないけれど、こんな結末にしたいという安藤の気持ちはすごく良くわかりました。

物語の結末を知ってももう少し感想を読みたい方はコチラをクリック



やはり大人の方が一枚上手でしたね
咲も頑張ってましたが、大人顔負けに頭が切れる子ではないので、詰めが甘いなーと思いながら読んでました。

それでも最後まで咲に安藤を殺させるとは思わず…

人間は矛盾を抱えるとストレスになって目先のことしか考えられなくなく、というのを初めて知って面白かったです。

安藤は自分自身を使ってでも、加奈をいじめた子に罰を与えたかったんですね。
それが、心理学と結びついているというのが伏線が効いてて面白かった!同じように転落したのに、安藤は生き残るという皮肉がなかなか辛い。

それも天罰なのかもしれないですね。
加害者とはいえ他人に直接手を下させて死のうとしたんですから。

でも、安藤には早苗さんという素敵な女性が付いているので大丈夫でしょう笑

正直にいうと、色々展開が早かったり、もっと描写してほしいところがあったりしました。
そこはデビュー作なのでそういうものかなと思います。

芦澤さんの他の作品はこれからですが、こんな設定の話が書けるなら次を読むのも楽しみです♪

まとめ

いかがでしたでしょうか?
『罪の余白』の魅力が伝わっていたら嬉しいです。

加害者と被害者が心理戦を繰り広げるドキドキをぜひ手に取って楽しんでみてくださいね♪